エムシリセ(剣の舞)を踊っているとき、
子供たちの目はユーカラの勇者のように強く輝いている。
母親の作ったキモノを着てウポポの中に入ってくる子供たちは
とても自由に文化の中で遊んでいる。
そこにはこむずかしい理屈も差別感もない。
おじさんやおばさん、親たちが一生懸命踊っている。
ぐらついた心にきざんだおじさんたちのリムセは
とても強くカッコいい。
そして子供たちもあこがれて、リムセに入ってくる。
言葉でユーカラを語ることのできない僕らは
この何分間かの踊りでそれを伝え、そして子供たちはそれを選ぶ。
いずれこの子たちも、ゆれる青春の中に迷走するかもしれない。
わずかな時間でしかこの輝きはないのかもしれない。
けれど確実に心に残り、そしてやがて自分で何かを選ぶとき
そこにアイヌ文化は生きている。
アイヌアートのアートとは、自己表現であり自分で考える、
思う、という意味であります。
もちろん、僕らの先祖が残してくれたこの豊かなデザイン学を
大切につなげたいという思いもあります。
差別や悲しみと共に生きてはいけない。
この素晴らしいアイヌ文化とともに
豊かで美しい次世代のために頑張る
と、いう意味で「プロジェクト」と名付けました。
自然体で豊かな意識のもとで
コタンのようにお互いを見つめ合う
育て合うグループでありたい、と考えています。
結城幸司(アイヌ・アート・プロジェクト代表)
|
|